カツオの生態
「回遊」と呼ばれる群れで海を移動する習性を持つカツオですが、その生態は意外と知られていません。このページではカツオの回遊の様子や成長過程などをご紹介します。
学名
Katsuwonus pelamis スズキ目 サバ科
1. 産卵
カツオは約1歳から産卵を開始し、1回あたり3万~140万粒の卵を産卵します。
仔魚は頭が大きく、吻(ふん)と呼ばれる口の付近が長く突き出していて、体長の4分の1ほどの大きな口裂があります。これは魚食魚類(魚を食べる魚類)の仔魚および稚魚の特徴です。産卵水域の中心は亜熱帯~熱帯の太平洋の中央水域ですが、広い範囲に及びます。
2. 成長
カツオはふ化後、約1年で45センチ前後、2年で60cm前後まで成長し、最大で1メートルになるといわれています。なお、お腹にある縞模様は1~5cmの稚魚にはなく、成長していく過程で現れてきます。
3. 魚群
魚群は、餌となるイワシなどを追って群れを成して泳ぐ素群と、海面を漂流する流木などの周辺に集まる木付き群の2種類に大きく分けられます。
4. 食性
カツオは、魚類、甲殻類(エビ、カニ、オキアミなど)、頭足類(イカ、タコ)と何でも食べます。また、カツオの成魚の胃の中から、カツオの稚魚が観察された事例が報告されており、共食いも起こっていることがわかります。
【引用文献】
1) 国立研究開発法人 水産研究・教育機構 FRANEWS(2013)Vol.34:8-21
2) 矢部 博(1955) 西部太平洋における稚魚の研究ーⅠ.カツオの後期仔魚 日水会誌 20(12)P1054-1059